検査の現状から考える、建物の安全性

 

 

建物の*1完了検査や*2瑕疵担保保険・*3性能評価などの検査を受けて、指摘がなく一回で合格する建物の割合はどのくらいだと思いますか?

 

検査の種類や建物の種類により変わりますが、だいたい3割から5割です。

つまり10件の建物があれば、7件から5件は何かしら指摘を受けます。

 

指摘の内容の多くが必要書類の不備や

建物の工事が一部終わってないものなどです。

ですから、不足書類の提出を受けて、あるいは

工事が終了した時点での写真の提出を受けて、合格になります。

これらの指摘は、適正に施工されることが多く心配には及ばないことが多いです。

 

数は少ないですが、構造に関する深刻な指摘事項もあります。

一例としては、基礎の鉄筋の数を減らし基礎の大きさを変更したものなどです。

構造計算をやり直すことによって、結果的に安全性は確認されることが多いですが、

工事現場の施工モラルの低さに驚かされます。

 

最近起きた杭の偽装データも、その多くが構造的には問題がないが

書類上つじつまを合わせるために、データを偽装していた事実が発覚しています。

 

建物の検査の現状について、少しお話ししました。

 

建物も人が現場で造るものですから、万全ではありません。厳密に言えば、ミスも多いと思います。

しかし、日本の構造計算も含めた設計・施工レベルは、先進国のなかでも最高水準にあるため

少々のミスがあっても、安全に暮らせる住宅が多いのも事実です。

 

 

*1完了検査・・・建物の使用を開始する前に、建築基準法に適合していることを確認する検査で、この検査に合格しなければ、原則としてその建物を使用することはできません。

 

*2瑕疵担保保険・・・平成21年10月1日より、スタートし住宅瑕疵担保履行法による保険のことで、新築住宅を供給する事業者に対して、瑕疵の補修等が確実に行われるよう、保険や供託を義務付ける消費者保護のための法律です。万が一、事業者が倒産した場合等でも、2000万円までの補修費用の支払いが保険法人から受けられます。

 

*3性能評価・・・平成12年4月1日に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく制度です。 品確法は、新築住宅の瑕疵担保責任の10年間義務化や「住宅性能表示制度」の制定、トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」の設置など、3本柱で構成されています。